2025年06月02日
登記と戸籍に関する制度改正について
こんにちは、名古屋市で税理士事務所を開業している税理士の鈴木宗矩と申します。
本日は、2024年以降に施行された主な法改正を、税務の観点も含めてわかりやすくご説明します!
1.代表取締役等の住所が登記簿から非表示にできるように
2024年10月から、株式会社などの登記簿に記載される「代表取締役等の住所」が非表示にできる制度が始まりました。
これは、登記事項証明書から個人の住所が誰でも確認できてしまうというプライバシー上の課題に対応するための改正です。
対象者
- 株式会社の代表取締役、代表執行役、代表清算人
※合同会社の代表社員や医療法人の理事長などは対象外
注意点
- 住所が非表示になることで、登記事項証明書などでは住所が確認できなくなります。
- 金融機関の融資や不動産取引の際に、追加書類が求められる可能性があります。
- 税務署などには引き続き正確な届け出が必要です。
💡 ワンポイント
税務署に提出する届出(青色申告や更正の請求等)では、代表者住所は重要な識別情報です。登記の変更内容があった場合は、正しく税務署へ届け出ましょう!
2.相続登記の申請が義務化されました
2024年4月より、不動産を相続した際の登記申請が義務となりました。
これまでは任意だった相続登記が、所有者不明土地の増加を抑えるため、相続を知った日から3年以内の申請が必要に。違反時には10万円以下の過料が科されます。
相続登記の基本的な流れ
- 相続人の確定
被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得
→「法定相続情報一覧図」を作成すると手続きが簡単に - 遺産分割協議書の作成
相続人全員の署名・実印が必要 - 登記申請書の作成・提出
法務局へ提出(登録免許税もこのタイミングで納付) - 登記完了(通常2週間程度)
登録免許税
- 相続による不動産取得:評価額の0.4%が原則
- ただし、「相続人申告登記」は登録免許税が非課税(2027年3月末まで)
💡 ワンポイント
「相続人申告登記」制度を活用すれば、遺産分割が未了でも期限内に義務を果たすことができ、登録免許税もかかりません。
3.戸籍に「氏名のふりがな」記載がスタート
2025年5月26日から、戸籍に「氏名のふりがな」が記載される制度が始まりました。
本籍地の市区町村から通知が届き、内容に誤りがなければ特に届出の必要はありません。誤りがある場合や早期反映を希望する場合は、届出が可能です。
届出方法
- マイナポータルからのオンライン申請
- 市区町村の窓口または郵送
💡 ワンポイント
現時点では税務署のシステムと戸籍のふりがな情報は連携していません。税務署へ提出する書類では、氏名のふりがなも正確に記載しましょう。
まとめ
登記や戸籍の制度は、法改正により私たちの生活や事業に大きな影響を及ぼします。
特に、相続登記の義務化や代表者住所の非表示措置は、将来的なトラブル防止の観点でも重要ですね。
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