2020年10月21日
年末調整のポイント
こんにちは、名古屋市で税理士事務所を開業している税理士の鈴木宗矩と申します。
本日は、令和2年分年末調整の改正事項についてです。
<給与所得控除の改正>
①給与所得控除一律10万円引き下げ
②給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額が850万円、その上限額が195万円にそれぞれ引き下げ
<基礎控除の改正>
①基礎控除額が10万円引き上げ
②合計所得金額が2,400万円を超える所得者については所得金額に応じて控除額が逓減、合計所得金額2,500万円を超える所得者については適用できない
※年末調整において基礎控除の適用を受ける場合は、所要の事項を記載した「給与所得者の基礎控除申告書」を提出しなければならなくなりました。
<所得金額調整控除の創設>
- その年の給与等の収入金額が850万円を超える所得者で、特別障害者に該当するもの又は年齢23歳未満の扶養親族を有するもの若しくは特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有するものの総所得金額を計算する場合には、給与等の収入金額から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除することとされました。
※この改正に伴い、「所得金額調整控除申告書」を提出しなければならなくなりました。
※共働きの世帯で、扶養親族に該当する年齢23歳未満の子がいる場合、夫婦の双方で所得金額調整控除の適用を受けることができます。
<ひとり親控除及び寡婦(寡夫)控除に関する改正>
- ひとり親(現に婚姻をしていない人又は配偶者の生死の明らかでない一定の人のうち、次に掲げる要件を満たすものをいいます。)である場合には、ひとり親控除として、35万円を控除することとされました。
①その人と生計を一にする子を有すること
②合計所得金額が500万円以下であること
③その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人がいないこと
<寡婦(寡夫)控除の見直し>
①扶養親族を有する寡婦については合計所得500万円以下の要件が追加されました。
②特別の寡婦の特例が廃止されました。
令和2年分の年末調整は改正事項が例年になく多いです。
ミスのないように注意しましょう。
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