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2025年12月03日

【通勤手当】マイカー通勤の非課税限度額が11年ぶりに増額!

こんにちは、名古屋市で税理士事務所を開業している税理士の鈴木宗矩と申します。

 令和7年11月19日、「所得税法施行令の一部改正」が公布され、マイカー通勤者に支給する通勤手当の非課税限度額が11年ぶりに引き上げられました。

しかも、今回の改正は、令和7年4月1日までさかのぼって適用されます。
年末調整・中途退職者対応など、経理実務にも影響が出るため、早めの確認が必要です。

本日は、改正のポイントと実務対応を分かりやすくまとめました。


■ 非課税限度額が引き上げられたのは「片道10km以上」の区分

 今回の改正は マイカー通勤者が対象 であり、
電車・バス等の交通機関や有料道路の通勤者は変更ありません。

《改正後の非課税限度額(月額)》

片道距離2km未満… 全額非課税(変更なし)
2km以上10km未満… 4,200円(変更なし)

ここから上の区分で増額されています:

片道距離改正前改正後
10〜15km7,100円7,300円
15〜25km12,900円13,500円
25〜35km18,700円19,700円
35〜45km24,400円25,900円
45〜55km28,000円32,300円
55km以上31,600円38,700円

※令和7年4月1日以後「支払われるべき」通勤手当に適用
(例:3月分でも支給日が4月以降なら改正後の金額で判定)


■ 実務担当者が注意すべきポイント

 今回の遡及適用は、月次給与の段階で調整できていないケースが多く、年末調整で精算が必要になる可能性が高い改正です。

① 年末調整での精算

 4月以降に支払われるべき通勤手当について、
既に改正前の限度額で課税処理していた場合は、過納となる所得税を年末調整で精算します。

・非課税枠が上がる
→ “本来は課税しなくてよかった部分” が出る
→ 年末調整で税金を還付する流れ

今年の年末調整チェック項目に必ず入れておきましょう。


② 中途退職者・死亡退職者などの対応

 年末調整の対象外の方は 確定申告で精算 することになります。

さらに、すでに 源泉徴収票を交付済み の場合、

  • 非課税となる金額が新たに生じた
  • 支払金額欄の訂正が必要

といったケースでは、

摘要欄に「再交付」 と記載した源泉徴収票を作成し、再交付する必要があります。

企業側での再チェックが必要なポイントです。


■ まとめ|片道10km以上の従業員がいる企業は要チェック!

 今回の改正は、特に距離の長いマイカー通勤者にとってメリットが大きい内容です。
一方で、4月に遡って適用されるため、次の点を早めに確認しましょう。

  • 該当者の通勤距離と支給額
  • 4月以降の課税・非課税の処理状況
  • 年末調整での精算が必要かどうか
  • 中途退職者の源泉徴収票の再交付が必要か

年末調整時期は毎年慌ただしくなりますので、早めの確認が安心ですね。

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